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■凍炎作・「時の詩」
 
草原を2人の幼い子供が駆け回る。
 
片方は太陽の子
輝くような金髪に深い蒼の瞳の少女
もう片方は海の子
深海のような青い髪に藤色の瞳の少年
 
太陽が丁度真上に差し掛かったころ、急に陽が灰色の雲に隠れた。
空がどんどん暗くなり、ポツリと雫が降ってくる。
 
子供は急いで丘の上の高い大きな木に走っていった。
 
木の下には先客がいた。
空色の髪に深紅の瞳の男
黒いゆったりしたローブを身に纏っている。
 
「おじさん誰だ?」
 
太陽の子が男に問う。
 
「私の事か?」
「ほかにいねぇもん。」
「ねぇ、おじさんは失礼だよ。」
「俺達から見たらおじさんだろ??」
「おじさんは酷いな。これでもまだ20代だ。」
「ま、それはおいといて、おじさんペテン師?」
 
太陽の子の問いに男はあきれ返ったような声で答えた。
 
「私はペテン師じゃない。どうしたらそんな考えに結びつくやら。」
「だって、怪しいじゃねえか。」
「怪しいってだけでペテン師呼ばわりはだめだよ。」
「じゃあ・・・」
「悪い魔法使いでもないからな。」
 
男が太陽の子が何かを言う前にこう話すと太陽の子は考え込んでしまった。
 
「ねえ・・・。もしかして吟遊詩人??」
 
今度は海の子が訊いた。
 
「まあ、そのようなものかな。」
「へえ、じゃあ何か話してくれよ。まだ雨やみそうもねえし。」
「そうだな。じゃあ、昔、古文書で呼んだ遥か昔の物語について――――。」
 
男が話し始める。
雨が――少し強くなってきた。
それは・・・遥か遠い過去の伝説・・・
すべては偶然・・・いや、必然によって始まった。
平和を象徴する祭りで出会う始まりの救世主
彼らの出会いは希望の鐘が祝福した。
 
 それは神の悪戯か、救世主が一人、金の王女は起こるはずのない事故・・・時の裂け目に巻き込まれ、その時、その場所、その空間から消えてしまう。
残された始まりの救世主・・・赤の少年は金の王女を追って自ら時の裂け目に飛び込み、紫の発明家もまた、原因を明らかにするために動き出した。
 
 
「おい、おじさん。」
「・・・なんだ?」
「よく分からないけど時の裂け目ってなんだ?」
「さあ・・・。しかし、それが一番近い言い表し方なのではないのか?」
「僕はなんとなく分かるよ。なんか不思議な感じがする。」
「なあ、さっさと続き話してくれよ。」
「ああ、分かった。」
 
 
気が付けば深き森の中。だが金の王女の姿はない。
歩き続けたどり着いたが自らの町
知っているようで知らない自分が生まれたはずの過去の町
そこでは一つの噂が飛び交う――――森の中で王妃様が見つかった・・・と。
赤の少年がたどり着いた森の中、そこで見つかった王妃・・・何か手がかりがあるのではないか。
赤の少年は城を目指す。
 
 
 続く(?)

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