■雪条作・「旧友」 |
朝目を覚ましたら、 そこには他でもない俺の姿があった。 いつも変わらない、 もう見慣れてしまった薄汚いカエル姿の俺。 周りからは化け物扱いされるし、 こんな格好じゃリーネ様にだって顔向けできやしねえ。 …魔王もあれから動く様子もなさそうだし、 いけねえ、体がなまってきやがった。 …久しぶりに剣でも振ってみるか。 伝説の剣、グランドリオン。 …とはいっても、 戦う相手がいないんじゃ意味ねえよな・・・。 なあ、サイラスよ。 お前は今何してるんだ? 俺はこの通り、 今でもくだらない生活の毎日さ。 なあ、あの世ってなどんな世界なんだ? いつか俺もそこへ行くんだろう。 そん時はお前、俺とサシで勝負しようぜ。 …って言ってもまあ、まだ当分は死んでやらねえからな。 俺があの世に行くその時まで、腕磨いて待ってろよ。 ああ、なんだか知らねえけどよ、 …涙が出てきやがった。 Fin |
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