■Hoku作・「新たなる救世主」 |
ん…誰だ!? …一体ここは… クロノは目を覚ました。 そこは・・・そこはなにも見えない漆黒の世界。 それを見た当初、彼は世界が滅亡したのかとおびえていたらしい。 1005年・・・ガルディア王国崩壊 ・・・パレポリ軍による襲撃でガルディア王家は子孫を残せなかった・・・。 マール:クロノ! クロノ:マール! マール:ここは・・・どこなの? クロノ:さぁな・・・、とりあえず前にでも進んでみるか・・・。 マール:何があるか分からないのにいくの? クロノ:僕達何があってもつきすすんでいったじゃないか。 マール:… クロノ:行くぞ、マール! マール:うん。 二人は手をつないでまっすぐ歩いていった。 どこまでも、果てしなく。 僕達、何があっても先にすすんでいったじゃないか・・・。 マールは、彼の一言で、"希望"を取り戻した。 二人はどこまでもどこまでも歩いていく…漆黒の中をどこまでも。 と、その時。不思議な光が2人を包む。そして、漆黒の世界が豊かな谷に変わっていった。 そしてそこには1人の老人が立っていた。…どこかで見たことがある顔だ。 クロノ:あなたは・・・。 クロノ:久しぶり。ハッシュさん。 マール:でも、なぜあなたがここに…? ハッシュ:おお。お前さん達、よく来たな。 2人の思ったとおりだった。時の最果てのあの老人だった。 古代の時代では"賢者"と呼ばれていた。 ハッシュ:お前さん達を呼んだのはわしじゃ。 そしてここは、時の最果て…。 クロノ:え?!スペッキオとかは? ハッシュ:あわてるのではない。この谷はAD1000年の映像じゃよ。 すると、ハッシュはいつの間にか持っていた水晶玉のようなものに魔法かけた。 谷が消えていた。あたりはかつて友と共に時を越えた"あそこ"にいた。 スペッキオがとなりの部屋でドンドンやっている。マールがクスクスと笑い出した。 クロノ:それで、どうして僕達を呼んだの? ハッシュ:地球(ほし)が…また夢を見始めてしまう・・・。 そこで君達に、新たなる救世主を探すことを頼みたいのだが、いいかな? クロノ:救世主・・・。 「少し先へたどってみようかのぅ。」 ハッシュはそう言って、光る柱のようなものの前にたった。 そして、ハッシュは杖から不思議な光を発した。 「え、ゲート?!」 マールが驚く。 「ラヴォスは消滅したはずなのに、どうしてあるんだ?」 クロノも慌てて言う。 「まあ落ち着いて聞きなされ。さっきも言ったとおり、星は夢を見始めておる。 多分新たな時を喰らうものがでてきたのじゃろう。まあまだ時間はある。」 ハッシュが少し笑って言った。 「場所はエルニド諸島。この辺いいると思うのじゃが…。」 「行く?クロノ。」 「ああ…、もちろん。頼む、エルニド諸島へ連れて行ってくれ。」 クロノが真剣な表情でハッシュを見つめた。 「頼んだぞ、最初の救世主。」 これから新たなる冒険が始まる。 人類の未来をかけて、二人の人間が旅立つ。救世主を見つけるために…。」 潮風そそぐアルニ村。 クロノとマールはそこで立っていた。 「ここがエルニド諸島か・・・。のどかな村だな。」 クロノがつぶやいた。その心には、懐かしき日の面影が映し出された。 「クロノ、早く救世主をさがそうよ。」 マールがクロノの悲しみを吹き飛ばそうとげんきよく言った。 しかし、しばらくして、マールの表情が変わった。 「もう、やめてよ。あたしだって悲しいよ。でも、でも今はこんなことしている場合じゃないでしょ。」 マールは、目からしずくを流して言った。 「フッ。」 すると、逆にクロノは一変して、鼻で笑った。 そして、大声でうおおおおおおおとか、そんな感じで叫びだした。 「よし、探そうぜ。こんなとこでメソメソしてたって意味がないだろ!」 マールはクロノの突然の表情の変化に驚いたが、 確かにクロノのいうとおりだと理解し、彼に笑顔を送った。 再び捜索にのりだした二人は、入り口前に立つ老人に、話しかけてみた。 「あのー、すいません。」 しかし、なぜか無視。マールが文句を言っても、返事がない。 そこで、これならどうだとマールがくすぐりはじめた、 …と思ったら、なんとすけているではないか。 「え・・・」 驚く二人。 「まさか、あたしたち・・・」 「死んじゃって、ユーレイになったのか?!」 ……続く(?) |
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